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二 早川龍介作

(すげ)の小笠に揃いの着物 苗もそろへば気もそろふ
三河萬歳萬歳稲の 穂に穂出るよに祈らんしょ

三 山崎延吉作

早苗うゑましょ眞すぐに植ゑう すぐは神様およろこび

       ★早苗(さなえ=苗代(なえしろ)から田へ移し植える稲の苗)

六月五日、田植え式の式典は午前十時から岡部熱田神宮宮司を斎主(さいしゅ祭事を行う

)として、県内各郡市の神職約三十名の奉仕によって厳かに行われました。
式の中
で倭舞(やまとまい)、巫女舞(みこまい)の二曲が男女八人の舞人によって舞われました。次いで植え付けの式があり、式服を脱ぎ、耕作服となった早乙女(さおとめ田植えをする女)
二十余名は菅笠をかぶり、男耕作者三十余名と共に斎田に入り、苗配り役、植え付け役と役割分担して、太鼓の音と田植え歌に合わせて田植えをしました。
続いて田
植え歌に合わせて田植え踊りを踊りながら退出して式を終わりました。

この日の来賓は外人を含め七百余人、参観者は七万余人ともいわれ、鉄道院は名古屋・岡崎間に三回、豊橋・岡崎間に二回の臨時列車を増発し、西尾線では車両不足のため無蓋貨車(むがいかしゃH覆の無い貨物車)での臨時列車を運転して乗客輸送に努めましたが、乗車不能者が続出しました。
また、中島駅は列車が着くごとに乗客は雪崩
(なだ)のようにはき出され、西尾街遺は岡崎方面から徒歩で未る人が、長々と列をなして続くほどに盛大な式典でした。

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